手外科
手外科とは
「手」は、物を持つ・掴む・運ぶ・洗う・箸を使う・スマートフォンの操作・車の運転といった日常生活のあらゆる動作に関与する重要な部位です。
また、ピアノやギターなどの楽器演奏、スポーツ、工作といった趣味活動にも深く関わります。
さらに、手は「感じる器官」としても非常に繊細です。
皮膚を通じてさまざまな感覚情報を得られるうえに、やさしく触れることで安心感や癒しを与える役割も果たします。
こうした“動かす・感じる・癒す”という多機能を担う手や腕(上肢)に発生する怪我や病気に対して、専門的に診療を行うのが「手外科」です。

手外科専門医について
日本整形外科学会認定専門医の資格取得後、さらに手外科領域に特化した専門研修を修了し、手外科専門医試験に合格した医師が「日本手外科学会認定専門医」です。
当院の院長は手外科専門医であり、名古屋大学病院にて手外科の手術や診療経験を積んだ後、安城更生病院にて「手の外科・マイクロサージャリーセンター長」を歴任した経験があります。専門的な知識と高度な技術で、さまざまな手の疾患に対応しています。

このような症状がある方は「手外科」にご相談ください
- 手や指にしびれを感じる
- 朝方に手のしびれが強くなる
- 指がスムーズに曲げられない・伸ばせない
- 指の関節で引っかかり感がある
- 物をつまむ、キャップを開けるなどの動作で痛みが出る
- 指の関節が腫れて赤くなり、痛みがある
- 手をぶつけて痛みが強く、骨折が疑われる
- 手全体が腫れて痛みを伴う
これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置していると悪化するケースもあります。
そのため、手外科への受診をおすすめします。
手外科の主な疾患
ばね指(弾発指)
指の付け根で腱と腱鞘がこすれ、炎症を起こす「腱鞘炎」が進行すると、指の曲げ伸ばし時に“カクッ”と引っかかる現象が起こります。これがばね指です。痛みや腫れ、熱感を伴うことが多く、指の動きが制限されます。
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
手根管症候群
手のひらの付け根にある「手根管」で正中神経が圧迫されることで、親指・人差し指・中指のしびれや痛みが出ます。朝方に強く現れ、手を振ると少し楽になることが特徴です。進行すると親指の付け根が痩せて、細かい作業が困難になります。
肘部管症候群
ヘバーデン結節
母指CM関節症
ガングリオン
関節や腱の周囲にゼリー状の物質がたまってできる良性の腫瘤です。手首や指にできることが多く、触ると弾力のあるしこりのように感じられます。大きさに変動があり、動かすと大きくなることがあります。
マレット変形(槌指)
デュピュイトラン拘縮
手のひらや指にしこりができ、皮膚が引きつれるように硬くなり、徐々に指が伸ばしにくくなります。特に薬指・小指に多くみられます。進行しても痛みはあまり伴わないため、気付きづらいこともあります。
治療方法
まずは痛みをしっかりと取り除く治療を行います。
注射や内服による炎症緩和を中心に、安静のために患部を固定することもあります。
手指は日常生活で頻繁に使う場所です。
そのため再発することも多く、リハビリテーションにて生活動作のアドバイスやストレッチ指導などを行い、再発を予防していきます。
手術が必要な場合は、信頼できる医療機関にご紹介いたします。

2025年4月から作業療法士(OT)が在籍しています!
手のリハビリに特化した「ハンドセラピスト」が、2025年4月から在籍しています。
作業療法士(OT)とは?
PT(理学療法士)が主に下肢(腰~足)のリハビリを担当するのに対し、OTは上肢(手・腕)のリハビリを専門とします。予約制で、2回目以降はOTが直接予約をお取りします。
当院の特徴


手のリハビリ専門職
「ハンドセラピスト」が在籍
当院では、内服薬や外用薬の処方、注射などの治療に加え、手に特化したリハビリテーションにも力を注いでいます。 手は構造が非常に精密かつ繊細なため、一般的なリハビリとは異なる専門的アプローチが必要です。
当院には、手や肘のリハビリに特化した作業療法士(ハンドセラピスト)が常駐し、それぞれの症状に応じた専門的なリハビリを提供しています。

手外科疾患を幅広く対応
(けが・腱鞘炎・関節の変形など)
「少し痛いけど我慢していた」「どの診療科に相談すればいいのかわからなかった」というお声をよく耳にします。
当院では、日常生活に直結する手指のトラブルに対し、外傷から慢性疾患まで幅広く対応。症状や治療法に応じて、きめ細かなリハビリで、早期回復をサポートします。

ハンドメイドによる
装具治療が可能
症状に応じて、患部の安静、変形の矯正、拘縮の予防を目的とした装具を、来院当日に採寸・成型し、その場でお渡し可能です。
市販品では対応が難しい細やかな調整が可能で、即日対応が患者さまの安心につながります。

過流浴・交代浴による温熱療法
手を温水に浸し、水流で患部に刺激を与える「渦流浴」は、血行を促進し、痛みをやわらげ、筋肉の緊張をほぐす効果があります。
また、「交代浴」では温水と冷水に交互に浸すことで、血管の柔軟性が高まり、自律神経のバランスが整い、リラクゼーション効果も期待できます。
